歌手になる為めに頑張って来た私。 ところがですね…、実は名古屋にいた時にもTVに出ていたのです。 みんな知らなかったでしょう? NHKの『中学生日記』という番組でした。 内容はタイトルどおり中学生の教育問題を扱ったものです。 『金八先生』とか『仙八先生』よりもずっと前からある番組です。 私も時々、見てたの。 やっぱり自分も中学生だったからでしょうね。 熱が入ってドラマの中に引き込まれました。 中学2年の終わり頃だと思います。 雑誌か新聞だったと思うんだけど『中学生日記』の出演者募集という記事が載っていました。 ドラマを見るのが好きで『太陽にほえろ!』などもよく見ました。 あの頃、まだ小野寺昭さん、竜雷太さんも生きていて事件の解決をドキドキしながら見たり…。 ドラマを見ていると私もあんなふうにお芝居してみたいな…。なんて、ぼんやり思っていたの。 昔は歌手より女優になりたいなと思う気持ちが強かったみたい。 募集記事を見て早速、名古屋のNHKへハガキを出しました。 この『中学生日記』は各地のNHKで制作しています。 私は名古屋制作の番組に応募したのです。 まず第1次予選通過。 これは書類選考というものでしょうね。 その他、2回くらい面接とセリフの審査オーディションとしては厳しいものだったと記憶しています。 沢山の応募者の中から約100名くらいの男女が選ばれました。 その中から毎回20人位ずつ出演します。 約100人の中の一人がTVに出演する! 応募する時は自分が合格するとは思いませんでした。 自分がTVに出ると思うと急に緊張してしまいました。 撮影は日曜日に行われました。 月曜日〜金曜日まで本読みとリハーサル。 結構忙しかったんです。 ちょっとした売れっ子タレント並でしょ。 ドラマのクラスメートといっても色んな中学校の子の集まりだから、始めの頃は何かぎこちなく話をしてました。 でも1時間もすると仲良しになって撮影中でもワイワイガヤガヤ。 本当の中学での教室風景とそっくりなの。 余りうるさいので「静かにしなさい!遊びに来てるんじゃないんだよ。キミたちッ!」 ディレクターに怒られて「すみません」一瞬、静かになるけど怒られたのすっかり忘れて、また「今日の帰りロッテリアへ行かない?」 「お腹も空いたしネ」 「コラーッ!」 「すみませ−ん」 エキストラといっても私は座ってるだけの生徒役。 台詞なんか殆どありませんでした。 毎週、主役を演じる子は変わっていくのだけど私には全然、主役は回って来ませんでした。 名古屋のNHKが主催している劇団があるのですが主役をする子は殆ど劇団に所属している人でした。 だから毎週、スタジオへ行ってたけど教室のセットの片隅にちょこんと座っているだけ。 毎回、イスに座りに行く事が私のお仕事だったのです。 こういうわけで演技指導なんか、な〜んにもナシ。 でも、ただ座ってるだけでも結構、面白かった。 TVのスタジオなんて入りたくても入れないし、セットの作られる過程やライトの多さカメラマンの動きなど見ていると面白いもん。 それに仲良くなった子とお喋りしたり退屈しませんでした。 中2終わり〜高1始めの2年間エキストラしてました。 お芝居も好きですけど、それ以上に唄いたい!歌手になりたい!と思うようになったのです。 『中学生日記』に出演しながら中2の冬に私は『スター誕生』のオーディションに応募したのです。 これがきっかけで今の私があるのです。 今でも時々、あの頃の事を思い出すの。 お芝居は相変わらず、おとなしく座っているだけで退屈してましたがその時、知り合った子達と作った思い出はとても楽しいものでした。 収録の帰りは仲良しの5、6人の子達と栄町へ行くの。 ここは名古屋では一番の繁華街で食べ物屋さんがいっぱいあります。 帰りは決まって栄町へ行きました。 ハンバーガーショップや喫茶店で何時間もおしゃべりして、良くこんなに話す事があると思う位、次から次へと話題がめまぐるしく変わって、お喋りしながらハンバーガーをほおばりジュースも飲んで。 「私フライドポテトが食べたくなっちゃった」 「私は喋り過ぎすて喉が乾いたからコーラを頼もうかな」 「じゃあ私、もう一つハンバーガー」 お財布と相談しながら良く食べました。 東京に来てから友達と喫茶店へ行ったのなんか数えるほどです。 それもデビューする前の数ヶ月の間の事。 デビューしてからは殆ど友達と長い時間お喋りした事ないなあ。 だから名古屋時代の事が懐かしく思えるのは、違う学校の子達が多かったから中間テストや期末テストの日が少しズレているの。 テストが早い学校の子に「どんな問題がでたの?」 「難しかった?」 「数学の因数分解はコレ」 「ヒエーッ!数学なんて大キライ!」 テストの時期になると情報交換でスタジオはいつもより一層うるさくなります。 またもディレクターが「そこ、うるさいぞ!」と怒られてもテストの事で頭がいっぱいだから、「ハイ」と優等生返事をして小声でお喋り。 女の子ってうるさいですね。 なんて自分で言ってちゃ世話ありませんね。 歌手になる前の私の事を書いてみました。 みなさんの中には『中学生日記』を見ていた人って沢山いると思います。 私が出ていたなんて気付かなかったでしょうね。 その他、大勢の一人ですもん。あたり前かナ。 岡田有希子じゃなくて、本名の佐藤佳代だから判る訳がないね! 私の大切な思い出の一つです。 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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