1/4ページ目 叶わないって知ってて。 伝えられないって知ってて。 なのに人はどうして気持ちを抑えられないんだろう? 理由はきっと、叶えた先にある。 −純愛− 階段は静かだった。 当然かもしれない、今は放課後なんだから。 残っている生徒は野球部の生徒だけだった。 それなのに私が残っているのは、半分期待のせい。 半分は…落胆。 落胆っていうのはいわゆる保険だ。 期待が裏切られた時の為に、最初から蓄積してある。 「…大丈夫」 結子は英語研究室の前で一息つく。 大丈夫、という言葉も保険。 結子は自分の弱さに悲しくなった。 だけども。 まだ期待があるじゃないか。 先生はどうして私だけを呼んだんだろう? だって、私は英語の係でもなんでもない。 だったら…。 期待を大きくして、結子は研究室の扉を開けた。 「失礼しますー」 軽いはずの扉が、結子にはひどく重たく感じたのだった。 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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