小説
桜桃華さんよりリクエストアルラン!
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俺は足を急がせて、彼女のもとへ向かった。

彼女はテレビの収録でテレビ局にいる。

仕事が終わったら、エントランスで待っていると言っていたが。

近づいていくと、彼女の姿が見えた。

「ランカ!」

「あ、アルト君!」

緑の髪がふわっと上がって、嬉しそうな顔で俺の方に駆け寄ってきた。

「悪い、待ったか?」

「ううん、私もさっき終わったところだから♪」

俺に朗らかな笑顔をくれる彼女は、フロンティアで「超時空シンデレラ」と名高いランカ・リー。

彼女が、俺の奥さん。

結婚してからまだ2週間ぐらいしか経っていないが。

長い戦闘を終え、平和な生活を取り戻した頃、俺はランカに想いを告げられた。

何事にも頑張り屋で、時に見せる切ない表情も、温かい優しさを持つ彼女が好きだったから。

俺はランカの想いに答え、俺達は付き合い始めた。

お互いの仕事で、逢えない時間も多くて、時に、ケンカもしたこともあったが、俺達は愛を育んでいった。

そして、俺はランカにプロポーズをした。


「これからもずっと、お前と一緒にいたい。俺のそばにいてくれないか」
と、告げて。



2人で一緒に家に帰る。
お互いの歩幅を合わせながら、歩いた。

目が合うと、ランカは、ニコッと笑い、穏やかな笑顔を俺にくれた。

それが、小さなことでもとても大きな幸せなんだって、思う。

「ねぇ、アルト君」

「ん?」

ランカは立ち止まって、頭を下げ、俯いていた。

「どうした?」

「あ、あのね。………お願いがあるの」

だんだん小さくなっていくランカの声。

俺は首を傾げ、ランカと目線を合わせるように、身をかがめる。

顔を見ると、頬が少し赤くなっていた。

「あ、あのね」

「ん?」

「………手、繋いでくれる?」

一瞬、時間が止まったように思えた。

ちょっと、ビックリして。

突然、ランカから言ってくれるから。

付き合ってる頃から当り前のように、手を繋いでいただけあって。


「そんなの、叶えてやるに決まってるだろ。
ずっと、その願い、叶えてやるよ」

俺が手を差し伸べると、ランカは満面の笑みを浮かべて、そっと俺の手に自分の手を重ねた。

「ありがとう、アルト君」

「早く、帰ろう。腹減った」

「うんっ」

そうだ、ずっと、ずっと。

手を繋いで、一緒に歩いて行こう。

そう思いながら、夕焼けに染まるフロンティアの街を歩き出し
た。


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